Wick News
Wick通信
2025/07/24
Wick通信 Vol.1 with 講談社
支えられてきたその想いに応えたい——
2025年7月25日からリリースする漫画+SNSの統合型プラットフォームアプリ“Wick”
今回は講談社ゲームクリエイターズラボをきっかけに出会いを果たした、講談社クリエイターズラボ部長の鈴木綾一氏と部次長の佐藤敏浩氏を迎え、当時のことを振り返りながらWickへの意気込みを語る。
チャプター1:ゲームクリエイターズラボが生んだ出会い
中道:本日はお越しいただき、ありがとうございます。
鈴木:お久しぶりです。リアルで会うのって…5年ぶりくらいですか。
中道:あれ、もうそんなに経ちますか?
鈴木:講談社ゲームクリエイターズラボの立ち上げが2019年頃でしたので。当時はまだヤングマガジンの編集部とDAYS NEOもやってたかな。
中道:その上で講談社ゲームクリエイターズラボの選考もやっていたんですか!? 確か、応募数1200とかめちゃくちゃ多かったですよね?
鈴木:そうそう、最初は応募数100集めるのが目標だったから50件くらい来た段階でこれはいけるかなって思ってて
佐藤:でも、最終日には1200件超えてましたよね。
鈴木:1000件越えるんかーいって。選ぶのが本当に大変でしたね。結果的に狭き門になってしまいました。
中道:懐かしいですね。僕もよく覚えています。会議室でゲームのこと熱弁しました。
応募数1200越えの狭き門を突破した鍵は”相性”
鈴木:僕らは一緒にやっていく上で”相性”が一番大切だと思っていて、シネマクリエイターズラボも、他の企画も全部面談ベースですね。
中道:面談ベースは本当にありがたかったです。自分たちの熱意をそのまま伝えることができたので。
鈴木:まぁ面談と言っても、いわゆるこちらが見定めるための面接というよりは、”僕たちがサポートでいいですか?”みたいな側面が強いんです。
佐藤:確かに最終的に選ばれた人って、完璧じゃない人が多かったですよね。
中道:僕たちのプロダクトも、多分当時は穴だらけだったと思います。
鈴木:完璧だとサポートってできないですから。「ここの部分は一人でやるよりは僕らが担当できれば楽になるよね」っていうのが見えてくる人の方が、僕らも安心して一緒にできるというか。
例えばよくある補助金や奨学金のような制度だと、クリエイティブには口出しせずに、金銭的なサポートだけしますよってものじゃないですか。僕らの場合はお金も出すけど、口も出すしって感じで、商売として一緒に大きくしましょうって企画だから。お金ってあくまでも手段の一つだったんですよね。
中道:なるほど。だから既に完成されていて、一人でもできるっていう人よりも、未熟だった僕らみたいなクリエイターが最終的に選ばれたんですね。
佐藤:中道さんの場合は、当時から熱量がとにかくものすごくて、しかも尖ってる部分もありましたよね。
鈴木:だからこそ、僕らとしてもサポートできる部分がはっきりしていましたし、話をしていく上で人となりも見えてきて、良いパートナー関係が築けるなと確信しました。

チャプター2:お金だけではない支援のかたち
鈴木:Wickの話をいきなりされた時も、最初から中道くんは世の中に何かインパクトを残し続けるためにクリエイターとして活動している人っていう認識があったから、何も違和感はなかったんだよね。
中道:初めてWickのお話させていただいた時なんて、まだ何もできてない構想段階だったのに、すぐに「いいじゃん、やろうよ!」って言って下さって。持っていくまでは、ゲーム全く関係ないし、大丈夫かなって結構不安だったんですけど。
佐藤:むしろ最初に持ってきてもらった時に中道さんらしいなって思ったのが、「これすごくないっすか」しか言わないんですよ(笑)
中道:確かにそうでした(笑)
鈴木:そのセリフが出る人って、実はものすごく自己ハードルが高い人なんですよ。自分の中に人に言えるまでに達していないアイデアが実は無数にあって、その中から飛び出してきたからこそ、もうそれは「すごいでしょ」ってなる。
中道:本当にその通りで、ボツアイデアもたくさんあっての、渾身のアイデアだったんですよ。というか、なんだか丸裸にされている気分です。今日ってそんな回でしたっけ?
鈴木:色々会話していく中で見つけ出していくんですよね。この人のこの言動は自信がある時だな、とか。どういう瞬間にエンジンが掛かるのか、とか。
中道:今思うと、当時もゲームの打ち合わせよりもただの雑談とか、遊んでいる時間の方が多かった気がします。
鈴木:まさにそういう時こそ観察しているんですよね。何をしている時に楽しそうにしているのか、どこに喜びや達成感を感じているのか、当時からずっと意識はしてましたよ。
佐藤:まるでAIのディープラーニングのようですね。
鈴木:そうそう(笑)コミュニケーションを繰り返して、その人をどんどんインプットしたうえで、サポートというアウトプットに活かすんですよね。
俯瞰的に自分たちを見てくれる人がいることの大切さ
鈴木:普段から人を観察することも大切なんだけど、何より俯瞰して見ることが重要ですよね。その点僕たち編集者って、作る側とそれを消費する側のちょうど中間にいるというか。どちらの考えや事情も踏まえた上で俯瞰できる立場なんですよ。
中道:その感じ分かります。すごくこちらの事情も理解した上で、それなのにフラットに見てくれるというか。
鈴木:まぁ、そうするにはちゃんと人も作品もよく理解する必要があります。だから僕なんかは理解できるまで何度も説明を求めちゃうんですよね。
中道:そういえば昔別のプロジェクトで、一つのシステムのことを何時間も話しましたよね。ここ、どういうことなの?みたいな。
佐藤:Wickの時もそうでしたよね。でもこちらが聞いたことに中道さんはすぐに返信をくださるし、1週間くらいで全体の仕様書もまとめてくださって。その時、やっぱり中道さんだなって思いました。
中道:恐縮です(笑)
佐藤:あっ、でも一つだけ変わったことは、資料がものすごくうまくなっていました!
中道:ありがとうございます!おかげさまで色々な人に説明する機会も増えましたから、自分でも成長は感じます。
佐藤: そう思えばすごく長い時間、関わってきましたよね。
中道:そうですね。仕事の時はもちろんのこと、仕事以外の時間も一緒に過ごしてくれて。一方的な支援を受けているというよりは、チームとして一緒に走ってきたって感覚でした。
鈴木:そう思っていただけているというのはとても嬉しいですね。
中道:鈴木さんや佐藤さんたちと出会った時って、正直落ち目だったんですよ。一度軽く跳ねてから、沈んでいく最中みたいな。でもそんな時でも俯瞰して僕らのやっていることを見てくれて、助けてもらえたのがとても精神的にも支えになっていました。
鈴木:過去は全然気にならないから。見てるのはその人の目標とか、未来。そこに辿り着けるかどうか、辿り着くために僕らにできることはあるのかってポイントしか見てない。
中道:本当にありがたいです。正直、当時鈴木さんや佐藤さんと出会えてなかったら、Wickも生まれてなかったと思います。それくらい僕らにとって講談社ゲームクリエイターズラボでの出会いは重要なものでした。

チャプター3:Wickが目指す未来
中道:僕らは鈴木さんや佐藤さんと出会えたことで救われました。二人にしていただいたことを、今度は僕たちが次のクリエイターにしていきたい。そういう思いで、今回の漫画大賞の開催をご提案させていただきました。
佐藤:クリエイター達の助け合いの文化に参加したいとおっしゃてましたよね。
中道:はい。やっぱりクリエイターをやってると、報われないなってことが多いなって思うんです。大きく成功すればいいんですけど、成功しなかった時のマイナスが大きすぎるっていうか…
鈴木:確かに、無駄になるということはないんだろうけど、それまでかけた時間やお金のことを考えるとね。
中道:そういった世界だと、これからのクリエイターも生まれづらくなってしまうじゃないですか。だから鈴木さんや佐藤さんに支えてもらった恩を、今度は次のクリエイターに繋げるという形で返していこうかなと。精神面ではお力になれないけど、金銭的な部分や今回のような機会作りといった形であれば、僕らでも一助にはなれると思いますので。
鈴木:コンテンツに携わる同業者としても、とてもありがたい話です。
中道:いやいや、僕らも講談社ゲームクリエイターズラボにしていただいたことですから。当時は生活のためにチームみんなでバイトしていて、開発の時間を捻出するのすらままならない状況の中、生活費に使ってもいい「支援金」として1000万円をいただけたのは本当に助かりました。
鈴木:お金の有効的な使い方の一つですね。
中道:クリエイターにとって、時間なんてあってもあっても足りないですから。開発してた時はどうして1日って24時間しかないんだろうって常々思っていました。
鈴木:それをお金で解決できるなら安いものですよ。
佐藤:それこそ今回の漫画大賞が、当時の中道さんたちにとっての講談社ゲームクリエイターズラボになってくれるかもしれないですよね。
中道:そうなってくれると本当に嬉しいですね。僕らも支えられてきた側なので、次のクリエイターの力に少しでもなれるなら、冥利に尽きます。何度も言いますけど、あの日鈴木さんや佐藤さんに会ってなかったら、僕らあのまま沈んで終わってましたからね。
鈴木:いやいや、そんなことないでしょ(笑)
中道:本当ですよ! Wickも絶対できてません。生活費稼ぐためにバイトして、それでどんどん創作の時間が削れて、結局力尽きてたと思います。
佐藤:あの尖り方してた人は、何かしらやり遂げてたと思いますけどね。
中道:そうですか?(笑) でもあの時はちょっと尖りすぎてたというか…だから鈴木さんや佐藤さんみたいに受け止めてくれる人と出会えたことは奇跡でした。
鈴木:そう考えると、やっぱり相性良かったんだよね。
中道:そうですね。金銭的なサポートもそうですけど、沈んでた僕らがもう一度立ち上がるまで長くお付き合いしていただけたからこそ、今がありますから。
鈴木:失敗したり、うまくいかなくても、また一緒にやろうって自然に思える関係だから、変に構える必要がないんですよね。作品や前例じゃなくて、”あなたがやること”に価値を感じているので。
中道:そう思っていただけるのは本当にありがたいです。これからのWickもそういった場所にしていきたいですね。たとえ今がダメでもまたチャレンジし続けられるような環境や支援を整えていくことで、”あなたが作る価値”を突き詰め続けていって欲しいです。
(ライター:八谷 写真:misaki)
